田舎の実家は処分できる?築古の実家と広大な土地を処分するにはどのような方法があるのか?

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田舎の実家は、工夫次第で処分は可能です。

田舎の家は、家が古いことや公共交通機関へのアクセス性の悪さから、相続してもその家には住まいないというケースが多くなっています。

よって、田舎の家は空き家状態で放置されているケースは少なくなりません。総務省の統計によると、日本全体における空き家率は13.6%となり、実に7件~8件につき1件は空き家という計算になっています。

また、地方都市では20%を超えるところもあり、このような田舎の家の処分はしにくいと思われているのが一般的です。しかし、今三大都市圏から地方都市への移住が少しずつ進んでおり、2021年東京23区は転入より転出が多い転出超過となりました。

また、田舎の家には畑や山林など広大な土地が残されていることも多く、これらの管理や維持費を負担するだけでも大変です。

では、田舎で空き家となっている家や土地を処分するには、どのような方法があるのでしょうか?この記事では、田舎の家と土地を処分する具体的な方法、処分する前に行うこと、スムーズに売却処分するための工夫などについて解説します。

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目次

田舎の実家は工夫次第で処分可能!具体的な方法5つ

田舎の実家や土地は、工夫次第で処分は可能です。

田舎の家は一般的に築年数が経過した古い家であることや、田んぼや畑、山林などを所有していれば、広大な土地が残されているケースも少なくありません。このような家や土地は定期的に手入れをしなければ、あっという間に家は傷み、土地は雑草が生い茂るなど荒れ放題となってしまいます。

その結果、暫く放置して気づいたときには手を付けられないくらい、酷い状態になってしまうこともあります。

よって、このように現実的に管理が難しく居住する予定がないのであれば、一刻も早く売却するのがおすすめです。ここでは、売却する方法を5つ取り上げて解説していきます。

  • 不動産仲介で売却する
  • 不動産業者に直接売却する
  • 譲渡・寄付する
  • 空き家バンクに登録する
  • 賃貸として貸し出す
  • 土地活用する

①不動産仲介で売却する

一つ目は、不動産仲介で売却する方法です。

不動産仲介とは、一般的に個人間となる中古不動産の取引に、不動産仲介業者が間に入り売買を円滑に進める方法で、不動産売却では最もオーソドックスな方法となります。

不動産仲介では、取引成立時のみに限り仲介手数料が発生します。仲介手数料は、400万円超の成約価格の場合、「成約価格×3%+6万円+消費税」となります。

例えば、成約価格が3,000万円であるときの仲介手数料は下記にように計算されます。

仲介手数料=3,000万円×3%+6万円×1.1(消費税)=1,056,000円

尚、仲介手数料は上記にて紹介したものが最大であり、不動産業者によって仲介手数料が異なるケースがあります。

不動産仲介で売却するメリット・デメリット

不動産仲介で売却するメリットは、他のどの方法よりも高く売れるチャンスがあることです。

不動産仲介では、事前の査定額をもとに価格を自由に決定できます。例えば、売却当初は少々高めの設定にするなど、売却プランや手法は担当者と打ち合わせしながら行えます。

またデメリットは、売却がいつできるかわからないことと、買主の内見があるごとに部屋の掃除や庭木のメンテナンスなどを行う必要や、ケースにより都度内見に立ち会うなど、手間が掛かります。田舎立地ということで、内見者自体も少ないことも予見されますが、売却が長期間に及ぶことや、買主がいなければ売れないリスクがあることを認識しなければなりません。

さらに、売却前に土地の測量が必要なケースは測量費、居住が難しく更地にするときには、解体費が掛かってしまいます。仮に、売却が完了しても売却資金から仲介手数料、解体費、測量費など経費を差し引き収支がマイナスになるようであれば、不動産仲介での売却は避けたほうが良さそうです。

②不動産業者に直接売却する

二つ目は、不動産業者に直接売却をする、即ち買取りとなります。

買取りは、不動産業者が買主となり取引を進める方法です。不動産業者が買主となるので、広告を行うことや内見者を招く手間はなく、即売買契約を結び引き渡しが可能、即現金化ができるのが特徴となります。

田舎の家は、仲介で売れない可能性も高く、買取となることも十分に考えられます。

買取りのメリット・デメリット

買取りのメリットは、買取する不動産業者さえ決まれば必ず売れることです。また、物件がどんな状態であれそのまま引き渡すことができます。解体などをする必要もなく、売却時に手間が掛からないことも魅力です。

一方買取りのデメリットは、買取り価格が相場の7割~8割程度になります。手間が掛からず売却がラクな分、手元に残るものが少なくなってしまいます。

③譲渡・寄付する

三つ目は、近隣所有者への譲渡やNPO法人などに寄付することです。

譲渡や寄付は必ずできるものではなく、できたとしても手元に残るものは一切ありません。しかし、譲渡等ができることで今後の維持費の負担や、定期的な管理の手間がなくなることがメリットとなります。

尚、譲渡や寄付をするときは、譲渡を受けた相手側に税金が掛かります。のちに、トラブルとならないように注意します。

④空き家バンクに登録する

四ツ目は、自治体等が運営する空き家バンクに登録することです。

空き家バンクとは、その地域にある空き家活用を促すために空き家情報を募集し、且つその地域への移住希望者に空き家情報を広く公開しているサイトとなります。空き家バンクを活用することで、定住者の確保と地域活性化を見込んでいます。

空き家バンクは行政等が運営していますが、実際に売買の取引する場合には、概ね提携している不動産会社を紹介してもらえます。

昨今では、自然環境豊かな地方へ移住する若者も増えており、空き家バンクの活用はもっと進むことが見込まれます。尚、空き家バンクは一般的な不動産会社のように積極的な営業をするわけではないので、売却には時間が掛かります。

また、空き家バンクで物件探しする人は、掘り出し物を見つけようとサイト内を閲覧するケースが殆どであるのです。そのため、売却価格は高い確率で安価になるデメリットがあります。

⑤賃貸として貸し出す

五つ目は、賃貸として貸し出すことです。

田舎に住みたいニーズがあったとしても、不動産の購入は敷居が高いと思う人も多くいます。そこで、田舎の家を賃貸で貸し、賃料収入を得る方法もあります。

賃貸は処分とは言い難いのですが、賃料収入が入ることで維持費を賄えることや、家の維持管理を一任できるので定期的な管理の手間がなくなることがメリットです。また、当初は賃貸として居住してもらい、その後賃借人が希望すれば売却も可能となります。

よって、賃貸として貸すことが売却への試用期間となるケースもあります。

⑥土地活用する

最後に、土地活用です。

土地活用とは、その土地を他の用途に変更し収益をあげていこと、になります。例えば、田舎の実家が国道沿いなどロードサイドに面していれば、家を解体し更地にしたところに、コンビニやファミリーレストランなど事業用土地として貸すことが考えられます。

その他にも、月極駐車場、家庭菜園として畑の貸し出し、資材置き場、太陽光発電のパネルの設置など、土地活用の手法はさまざまです。

尚、土地活用は固定資産税などの維持費を賄えることや、収益を上げられることがメリットです。一方、土地活用の種類により、多額の初期費用が掛かることがデメリットとなります。

田舎の家を処分するメリット3つ

田舎の実家は、自身が幼少期から成人になるまで居住した思い出深い所であり、処分に抵抗がある人も多いでしょう。

しかし、誰も住んでいない田舎の家を保有し続けることは、実はデメリットでしかありません。では、田舎の家はなぜ処分したほうがよいのでしょうか?下記に、3つ取り上げて解説していきます。

  • 固定資産税や管理費などの固定費負担がなくなる
  • 家の管理にて定期的に手入れする手間がなくなる
  • 実家のことで悩むことがなくなる

①固定資産税や管理費などの固定費負担がなくなる

まずは、固定資産税や管理費などの固定費負担がなくなる、ことです。

不動産を所有すると、必ず固定資産税が掛かります。また、家の維持管理には自らできる通風作業や掃除があります。

さらに、外装や内装設備のメンテナンスや交換作業、植栽の維持管理など、専門性が高いものについては業者に依頼するしかありません。そのたびに、維持管理のための費用が掛かるなど、常に多額の費用が掛かってしまいます。

しかし、家を処分することでこれらの費用負担がなくなり、経済的に精神的にもラクになれます。これまで維持管理で使用していたお金を、旅行や買い物など好きなことに使えるようになるメリットもあります。

②家の管理にて定期的に手入れする手間がなくなる

次に、家の管理にて定期的に手入れする手間がなくなること、です。

家の維持管理を行うには、定期的に通う必要があります。遠方に住んでいれば、移動に掛かる交通費と貴重な時間を費やします。また、身体が動ける時期であれば良いのですが、自らの身体が不自由になると、もはや維持管理どころではありません。

よって、将来的に居住予定がない田舎の家を所有することはリスクしかなく、処分することでこれらから開放されます。

③実家のことで悩むことがなくなる

最後に、実家のことで悩むことがなくなります。

田舎の家を所有することで、維持管理に関する悩みが続くことや、定期的なメンテナンスの日程などに常に縛られることになります。

実家以外にも、自身の家族のことや今の家のこと、仕事のことなど他にも悩むことや考えることもたくさんあります。よって、田舎の家に関する悩みがなくなることで、他のことに注力でき日常生活が少し有意義になります。

田舎の家を売却せずに所有し続けるデメリット3つ

田舎の家を売却せずに所有し続けることは、先述でもお伝えしましたがデメリットでしかありません。

では、どのようなデメリットが考えられるのか?ここでは下記に3つを取り上げて解説していきます。

  • 老朽化が進む
  • 近所とトラブルになることもある
  • 特定空き家に指定されることもある

①老朽化が進む

まず、建物の老朽化が進みます。

建物の老朽化は人が住んでいない期間が長いほど、進行が早まります。田舎の家に人が住んでいる状態であれば、老朽化を抑えることや適度にメンテナンスを行うことが可能となりますが、遠方での居住では難しくなります。

この適度なメンテナンスができないのが問題で、小さな綻びがやがて大きな欠陥に、即ち老朽化に拍車をかける形になります。

よって、直ぐにでも住める状態を維持するには、外装や内装、設備機器の定期的なメンテナンスや交換が必要となります。

②近所とトラブルになることもある

次に、近所とトラブルになることもあります。

建物の老朽化が進むと、やがて屋根や壁面などの外装が剥がれ始め、見た目は廃屋のような雰囲気となってしまいます。このような見た目が悪い家は、近所の人には気味悪がれ、また害虫や悪臭などが発生すればトラブルになることもあります。また、長期間空き家が続くことで、不審者が住み着いたり犯罪の温床になったりと、治安や街並みが悪くなることも考えられます。

よって、近所とのトラブルなどを考慮すると、所有し続けること自体にリスクとなります。

③特定空き家に指定されることもある

最後に、「特定空き家」に指定されることもあります。

仮に、田舎の実家を管理せずに放置し、老朽化が進んでも解体などの対策を全くしない家については、特定空き家に指定されることがあります。特定空き家とは、2015年に制定された空き家対策特別措置法に基づいて行われる政策で、行政からの空き家の是正勧告(具体的には建物の解体など)に従わない場合に指定されます。

特定空き家に指定されると、更地と同等の扱いとなり固定資産税等の住宅地の減免を受けられなくなります。結果、固定資産税は宅地があった時よりも約6倍に跳ね上がります。

よって、田舎の空き家を所有するのであれば、定期的な建物メンテナンスができる場合のみで、できない場合にはリスクでしかありません。将来的に住む予定がないのであれば、一刻も早く更地とし売却するのが賢明となります。

田舎の家を処分する前に行うべきことは?

田舎の家を処分する前には、行うべきことがあります。

まずは、相続人が複数いれば全員の同意が必要です。また、売却・賃貸・更地にして土地活用など処分方法についても話し合いが必要となります。

また、売却するには家の中に残されている家具や電化製品などの不用品の処分や、ハウスクリーニング必要です。以下に、詳しく解説していきます。

  • 相続人に不動産処分の同意を得る
  • 処分方法の選定
  • 不用品処分
  • ハウスクリーニング

①相続人に不動産処分の同意を得る

まずは、相続人全員の同意を得ることです。

不動産は相続後に、「相続登記」を行います。相続登記とは、亡くなった親の不動産を子供が相続した際に行う名義変更手続きです。尚、相続登記は現状任意となっておりますが、2024年に義務化が決定しており、このとき以降相続登記を怠ると過料が科せられることとなっています。相続登記を行うことで、その不動産の所有者として公的に証明できます。

尚、相続人が一人であればその人の意思のみで不動産の処分に動くことができますが、相続人が複数いる場合には、一人の意向で勝手に相続不動産の処分はできず、必ず相続人全員の同意が必要です。

②処分方法の選定

次に、処分方法の選定です。

処分方法は、売却・賃貸・土地活用がありますが、これらについても相続人同士の話し合いが必要となります。また、これら処分を行うにあたり窓口となる代表者も決めておきます。

尚、相続した不動産を相続人間で共有にしたまま売却して現金化し、その現金を相続人間で分けることを「換価分割」と言います。これは相続した不動産を分けるにあたり、最も公平性が保つことができます。

③不用品処分

続いて、不用品処分となります。

家の中に家具や家電などの粗大ごみは、不用品回収業者に回収を依頼するしかありません。不用品回収業者は全国にあり、どの地域でもインターネットを使い簡単に探すことは可能です。

尚、不用品回収は住宅の広さや残されている粗大ごみにより、金額はまちまちなケースが多くあります。しかし、なかにはトラック積み放題などお得なプランがある不用品回収業者もあるので、見積もりは複数社に出すのが良いでしょう。

④ハウスクリーニング

最後に、家を残した状態で処分するのであればハウスクリーニングを行います。ハウスクリーニングを行うことで、素人では落とすことが難しい頑固な油汚れやシミなどを綺麗に落とすことができます。また、洗面やお風呂やキッチンなど水回り部分を、新築時のようにきれいに仕上げることができるのも特徴です。

尚、ハウスクリーニングを行う費用も業者により差があります。依頼するときは、費用とサービス内容等を比較して検討していきましょう。

田舎の家をスムーズに売却処分するための工夫4つ

田舎の家は一般的にニーズが低く、売却はスムーズにいかないと思ったほうがよいでしょう。そこで、田舎の家を売却するには、さまざまな工夫が必要です。以下に、売却をスムーズに進めるための工夫を4つ取り上げ、解説していきます。

  • 定期的に掃除し常に綺麗な状態にしておく
  • リノベーションし即入居できる状態にする
  • 地元の不動産会社を利用する
  • 買取りに出す

①定期的に掃除し常に綺麗な状態にしておく

まずは、定期的に掃除し常に綺麗な状態にしておくことです。

定期的に通い通風作業やポストの清掃、庭木の雑草除去ができればよいのですが、住まいが遠方であれば物理的に通うのが難しいこともあります。このような場合は、地元の不動産会社や警備会社などが手掛ける、空き家管理サービスを利用します。

毎月管理費用が掛かりますが、常に綺麗な状態をキープし続けるために、一定の費用の支出は避けて通れません。

②リノベーションし即入居できる状態にする

次に、リノベーションし即入居できる状態にすることです。

先述で綺麗な状態をキープすることをお伝えしましたが、一般的に田舎の実家は古く、室内の内装や設備は昭和の雰囲気を感じされるような時代遅れのデザインであることもあります。このような家は、住宅を最も購入する層が多い30代~40代にはあまり魅力的ではありません。

そこで、リノベーションで内装や設備を今風のデザインにすることで、田舎の家の魅力度と価値が上がります。さらに、今すぐにでも入居できるような状態にすることで売却もしやすくなります。尚、リノベーションに掛かった費用は、売却価格に上乗せします。

③地元の不動産会社を利用する

続いて、地元の不動産会社を利用することです。

地元の不動産会社は、その土地の不動産取引事情に詳しいことや、地元で探すお客さんをリストアップしていることがあります。

また、地元の不動産会社は本店のみの営業が多く、地元で勝負している以上、売却活動に関しては大手よりも本気であることが殆どです。これにより、さまざまな売却に関する提案やサービスを受けることができます。

④買取りに出す

最後は、買取りに出すことです。

買取りは、仲介での売却ができない場合の最終手段となります。または、売却を急ぎたいときに用いる方法となります。

買取りは、売却価格が相場の6割~8割程度に下がってしまうデメリットがありますが、買取りをする不動産会社さえ決まれば即契約と引き渡しができます。

買取りに出すときは、複数の買取専門の不動産会社に見積もりを取り、一番高値で買い取るところと契約します。尚、処分方法が当初より買取りと決まっている場合には、定期的な掃除やリノベーションなどは行う必要はありません。

まとめ

田舎の実家は、早期処分がおすすめとなります。理由は、居住予定がない家を所有し続けることは、デメリットでしかないからです。

田舎の家を処分するには、売却・賃貸・土地活用がありますが、売却前には相続人全員の同意や話し合いなどが必要となります。また、工夫次第では早期処分も可能であるので、田舎の実家でお悩みの際は早めに不動産会社に相談するのが良いでしょう。

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