日当たりが悪い家に住んでいるとさまざま不便があるため、売却して新しい家に住み替えたい人も多いのではないでしょうか。
しかし、日当たりが悪い家は市場における人気が低く、通常物件の約80%程度まで安くなってしまうケースもあります。
さまざまな工夫で家を明るく見せたり、日当たりを気にしない買主を見つければ売却しやすくなりますが、手間がかかる点は否めません。
なるべく早く売却したい場合は、訳あり物件専門の買取業者に相談することをおすすめします。
訳あり物件専門の買取業者なら、日当たりが悪い家も短期間での高額買取が可能です。まずは無料査定で、実際にいくらで買い取ってもらえるのか調べてみましょう。
日当たりが悪い家の売却価格は通常物件の約80%
日当たりが悪い家の売却価格は、通常物件の80%程度まで安くなってしまいます。
多くの不動産査定で利用されている「価格査定マニュアル」でも、査定項目として「日照・採光」があり、評点によって-15%から+5%の範囲で査定額に影響します。
価格査定マニュアルとは?
実際の売買事例などを参考に不動産の資産価値を算出してくれるソフトで、不動産流通を管理する公益財団法人「不動産流通推進センター」が制作しています。
例えば、本来であれば3,000万円で売れるような家でも、日当たりが悪いと2,400万円まで売却価格が安くなってしまうのです。
日当たりが悪い家は需要が少なく売れにくい
日当たりが悪い家の売却価格が安くなる原因は、買主の需要が少ないせいです。
次のようなデメリットを買主は嫌うため、日当たりが悪い家を避ける傾向にあります。
- 洗濯物が乾きにくい
- 湿気でカビが発生しやすい
- シロアリ被害に遭いやすい
- 日当たりが悪いせいで体調不良になりやすい
洗濯物が乾きにくいといった日常生活のデメリットだけでなく、湿気のせいでカビが発生すると、喘息・アレルギーなどの健康被害が出てしまう恐れもあるのです。
そのため、日当たりが悪い家は需要が少なく、通常物件よりも値下げをしないと買主が見つかりにくいです。
日当たりの悪い方角ほど家の売却相場も安くなる
家を売却する場合、日当たりが良いほど人気が高く売れやすい傾向にあります。
日当たりが良く売れやすい方角の順番は、以下のとおりです。
- 1日中日当たりが良い「南向き」
- 朝の日差しが心地よい「東向き」
- 午後の西日が眩しい「西向き」
- 1日中日当たりが悪い「北向き」
家の向いている方角によって、売却相場にも約3〜20%の価格差が生じるとされています。
方角 | 売却相場 |
---|---|
南向き | 0%下がる |
東向き | 約3〜7%下がる |
西向き | 約5〜9%下がる |
北向き | 約10〜20%下がる |
ちなみに人気の低い方角にある家でも、工夫をすれば売却できるのでご安心ください。
例えば、それぞれの方角は、次のような買主に人気なので、覚えておくとよいでしょう。
方角 | おすすめの買主 |
---|---|
南向き | 家で過ごす時間が長い人 |
東向き | 朝に家事を終わらせる人 |
西向き | 夕方〜夜にかけて行動する人 |
北向き | 日中外出している人 |
また、他の方角が抱えるデメリットを伝えた上で、自分の家がある方角のメリットをアピールすれば、人気のない方角の家でも売却できる可能性は十分にあります。
この項目では、日当たりのよい順番に各方角のメリット・デメリットを解説します。
「南向き」にある家の売却相場は通常物件と同等
季節を問わず、1日中安定して日光が部屋に入るため、南向きの家は人気が高いです。
日中であれば、照明を点けなくても室内が明るいだけでなく、日当たりが良いので洗濯物も乾きやすく、洗濯物の多いファミリー層に人気の方角です。
しかし、日差しが良いおかげで室温が上がりやすく、フローリングや家具などが日焼けしやすいというデメリットもあります。メリット 日照時間が長い
冬でも日当たりが良い デメリット 夏は気温が上がりやすい
家具などが日焼けしやすい
「東向き」にある家の売却相場は約3〜7%下がる
寒い冬でも朝早くから日光が差し込むので、東向きの家も比較的人気があります。
他の方角に比べて、早い時間帯から日光が差し込むため、寒い朝でも部屋が温まりやすく、朝型の人には快適で過ごしやすい方角です。
ただし、夕方になると日光が当たらなくなってしまい、冬場は暗くなるのが早いというデメリットも抱えています。メリット 朝の時間帯でも明るい
午前中でも洗濯物が乾きやすい デメリット 午後は日当たりが悪い
暗くなる時間が早い
「西向き」にある家の売却相場は約5〜9%下がる
午後になると日当たりが良く、日没も遅いため、西向きの家も一定の需要があります。
午前中は日当たりが悪い代わりに、正午〜夕方の遅い時間帯まで日差しが室内に差し込むため、暖かい状態で夜を迎えることができます。
しかし、午前中は寒くなりやすい一方、午後の西日が眩しいため、夏場は暑くなりやすいというデメリットもあります。メリット 午後は日当たりがよい
夕日が見えやすい デメリット 朝の時間帯は日当たりが悪い
西日で暑くなりやすい
「北向き」にある家の売却相場は約10〜20%下がる
時間帯を問わず日当たりが悪いため、北向きの家はもっとも人気が低いです。
1日中日当たりが悪く室温が低いせいで、日中でも寒く感じやすいことはもちろん、最大のデメリットは洗濯物が乾きにくいことです。
一方で、直射日光が入らないおかげで家具などが傷みにくく、室温が上がりにくいので、夏場でも他の方角よりも涼しいというメリットもあります。
とはいえ、日当たりが悪いせいで、他の方角より価格が安くなりやすい点は否めません。メリット 家具や蔵書が日焼けしにくい
室内が暑くなりにくい デメリット 朝や夕方に寒くなりやすい
洗濯物が乾きにくい
日当たりが悪い家でも高く・早く売る方法
南や東向きの家は売れやすいとはいえ、いまから家の方角を変えることは困難でしょう。
それでも、次の方法を用いれば、日当たりが悪い家を高く・早く売却できます。
- 物件情報の写真を明るめに撮る
- 照明を増やして部屋を明るく見せる
- 日陰のメリットを買主へアピールする
- 夜職などの日当たりを気にしない買主へ売る
- 「訳あり物件の専門業者」に直接買取してもらう
わかりやすくいうと、日当たりが悪い家を売るコツは「部屋を明るく見せること」と「日当たりを気にしない相手へ売ること」です。
それぞれの方法を1つずつ解説していきます。
【方法1】物件情報の写真を明るめに撮る
1つ目は、家を売り出すときに物件情報の写真を明るめに撮る方法です。
多くの買主はチラシや物件情報サイトに掲載されている写真を見てから、あなたの家に内覧を申し込みます。
そのため、物件情報に掲載される写真で、明るくキレイな第一印象を与えることができれば、より多くの内覧希望者が集まってくれるでしょう。
物件情報の写真を明るくするには、以下の方法がおすすめです。
- 写真撮影を昼間におこなう
- 照明を使って室内を明るくする
- 加工アプリで写真を明るくする
【方法2】照明を増やして部屋を明るく見せる
2つ目は、照明を増やして日当たりが悪い家を明るく見せる方法です。
日当たりが悪くても、室内の照明を増やせば部屋が明るく見えるので、購入希望者に良い印象を与えられる可能性が高いです。
例えば、暖色系の間接照明を設置すれば、まるで日光が差し込んでいるような温かみのある印象を与えられます。
照明以外にも、次のような方法で部屋を明るく見せることが可能です。
- カーテンを暖色系の明るい色にする
- 鏡を置いて日光が入るようにする
こうした工夫で明るい空間を演出すれば、日当たりが悪い家でも購入してもらえる可能性は高いです。
【方法3】日陰のメリットを買主へアピールする
3つ目は、日当たりが悪い家のメリットを買主へアピールする方法です。
先述したとおり、日当たりの良い方角にもデメリットがある以上、日当たりが悪い家のメリットをアピールすれば、買主の購買意欲を高められるでしょう。
具体的には、次のような点を日当たりが悪い家のメリットとしてアピールできます。
- 室内の家具が日焼けしにくい
- 熱がこもりにくく夏場でも涼しい
- 眩しくないので昼間でも熟睡できる
どのようなメリットを買主へアピールするべきか、1つずつ解説していきます。
室内の家具が日焼けしにくい
日光は紫外線を含んでおり、さまざまな物の経年劣化を進めてしまいます。
そのため、日当たりの良い家は家具・家電の劣化が早く、フローリング・書籍なども日焼けして、色あせてしまう傾向にあります。
一方で、日当たりが悪い家であれば、紫外線による経年劣化が起こりにくいので、書籍や美術品などをコレクションしているような人でも安心して住むことができます。
熱がこもりにくく夏場でも涼しい
日光は熱エネルギーも含んでいるため、日が差込むと室温も上がってしまいます。
ですので、日当たりの良い家は室温が上がりやすく、夏場はエアコンや扇風機がないと暑くて過ごしにくい上、熱中症になってしまう恐れもあります。
しかし、日当たりが悪い家は室温が上がりにくいので、夏場でも涼しい状態を保ちやすく、エアコンや扇風機による電気代も抑えられるメリットがあります。
眩しくないので昼間でも熟睡できる
一般的な生活サイクルであれば、昼間に日当たりが良い分には問題ありませんが、世間には夜勤で働いて、日中を睡眠時間に充てている人もいます。
日当たりの良い家の場合、カーテンや窓を閉めても日光を完全に遮断できず、アイマスクなどをしない限り、昼間に熟睡することはむずかしいでしょう。
しかし、日当たりが悪い家であれば、昼間でも室内を暗い状態に保てるので、夜勤などで昼夜逆転した生活を送る人でも、日中にしっかり眠ることができます。
【方法4】夜職などの日当たりを気にしない買主へ売る
4つ目は、夜職などの日当たりを気にしない買主へ売る方法です。
すべての人が昼間に活動しているわけではなく、夜勤で働く人は日中を睡眠時間に充てたいので、日当たりが悪い家はむしろ好都合といえます。
以下のような昼夜逆転した生活リズムの買主なら、日当たりが悪い家でも購入してもらえる可能性が高いです。
- 夜勤のコンビニ店員
- 夜勤の看護師
- ホテルのナイトスタッフ
- 水商売
- 新聞配達
このように昼間に眠る生活リズムの買主であれば、日当たりが悪い家は寝心地がよいため、好んで購入してもらえるかもしれません。
とはいえ、夜勤で働く人は少ないので、不動産業者へ依頼して、こうした買主をピンポイントで探してもらう必要があるでしょう。
【方法5】「訳あり物件の専門業者」に直接買取してもらう
5つ目は、日当たりが悪い家を「訳あり物件の専門業者」に買取してもらう方法です。
ここまでは「仲介業者」を利用して、日当たりが悪い家を売る方法を紹介してきました。
仲介業者とは?
家を売るとき、売主と買主の売買契約を仲介する不動産業者です。家を購入してくれる買主を探す必要があるため、売却まで数ヶ月〜数年かかるケースもあります。
しかし、同じ不動産業者でも「仲介業者」ではなく「買取業者」であれば、買主を探さずに家を直接買取してもらえるため、より早く売却できます。
買取業者とは?
売主の家を自社で直接買取している不動産業者です。家を購入してくれる買主を探す必要がないため、最短数日で売却できるケースも珍しくありません。
ただし、通常物件をメインに扱っている一般的な買取業者の場合、日当たりが悪い家は買取拒否されたり、安値で買い叩かれてしまう恐れがあります。
そうした場合「訳あり物件専門の買取業者」に買取してもらうことをおすすめします。
訳あり物件専門の買取業者とは?
大手業者が扱わない「訳あり物件」を買取している不動産業者です。買取した家を自社でリフォーム・リノベーションするので、一般的に売れにくい家でも買取してもらえます。
「訳あり物件専門の買取業者」では、さらに条件の悪い事故物件なども扱っているので、日当たりが悪い程度であれば、価格を下げずにすぐ買取してもらえる可能性が高いです。
まとめ
日当たりが悪い家は需要が少ないため、通常物件の約80%程度まで値下げしないと売却できないケースも少なくありません。
日当たりが悪い家を高く・早く売るには、物件情報の写真を明るめに撮ったり、照明を増やすことで、なるべく部屋を明るく見せる必要があります。
あるいは、日陰のメリットを買主へアピールしたり、日当たりを気にしない買主をピンポイントで探し出せば、日当たりが悪い家を売却できる可能性は高いです。
とはいえ、いずれの方法も手間がかかるため、早く・高く売りたい場合、日当たりが悪い家を「訳あり物件の専門業者」に直接買取してもらうのがベストでしょう。
「訳あり物件の専門業者」なら、日当たりが悪い家でも高額買取してもらえる可能性が高いので、他社の査定額に納得できなかった人も相談してみることをおすすめします。
