事故物件を売るにはどんな方法がある?売却時の注意点や下落幅を抑える方法は?

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事故物件を売却する方法は、不動産仲介と買取り(直接売却)です。

不動産仲介とは、主に個人間の中古不動産取引において、不動産業者が売主と買主(主に一般ユーザー)の間に入り売買を成立させる方法です。また、買取りとは不動産業者が買主となる売却方法で、直接買取りとも言います。

事故物件を売る前には、事故が起きた痕跡を無くすために、特殊清掃やリフォームを行うことが一般的です。しかし、事故物件の資産性は、平均して20%程度の下落があります。 清掃後、綺麗な室内に原状回復できたとしても、事故があった部屋ということで、一般的には「気持ち悪い」「霊が出るのでは」という考え方が強いためです。

では、少しでも下落幅を抑えるような方法はあるのでしょうか?

この記事では、事故物件売買時の不動産仲介と買取りについて、売却時の注意点、下落幅を抑える方法について解説します。

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目次

事故物件の売却方法【特徴と弱点について】

はじめにこの章では、事故物件の売却方法となる、不動産仲介と買取りのそれぞれの特徴と弱点について解説します。

  • 不動産仲介
  • 買取り(直接売却)

①不動産仲介

不動産仲介とは、仲介業者を介し一般ユーザーに売却することです。

内見、契約、引き渡しまで一定の期間が必要で、特に内見は買主が見つかるまで繰り返し行う作業となります。更に、物件の広告をインターネット等で行うので、近所に売却していることが周知されてしまう点は留意してください。

不動産仲介のメリット

不動産仲介のメリットは以下の通りです。

直接売却に比べ少しでも高く売却できる可能性がある

不動産仲介なら少しでも高く売却できる可能性がある

少しでも高く売却したいなら、不動産仲介がおすすめです。

事故物件の場合、平均して相場より20%程度の下落があります。 しかし、実際には物件の立地や需要等により下落幅には微妙な差があり、例えば人気の駅や街で物件の数が少なければ、下落幅が抑えられることがあります。一方、街や駅の人気があまり高くない立地で、物件の数が多ければ、下落幅が平均値より増える可能性もあります。

不動産仲介は、このように人気の街や駅など好立地である場合、有効的な手段です。理由は、人気があれば物件を検討している買主の母数が多くなるからです。母数が多い中から、事故物件でも買ってくれる人を探せばよく、買主が見つかる確率が高くなります。

さらに、「買主の母数が多い=需要が高い」ということにもなり、多少のお得感があれば、下落幅を抑えて売却できる可能性が高くなります。

不動産仲介の弱点

不動産仲介には、幾つかの弱点があります。弱点もしっかり理解しなければなりません。

具体的な弱点となるのは以下の通りです。

  • 告知義務が発生する
  • 成約時に手数料がかかってしまう。
  • 販売が長期間になる可能性がある

事故があったことを買主に伝える告知義務がある

事故物件最大のネックは、告知義務です。

賃貸でも売買でも、事故物件の取引を行う際は、事故があった時期や場所などを、売買契約前に告知する義務があります。さらに、売買の場合、告知義務に期間の制限はなく、たとえ物件を解体し更地にしたとしても告知義務だけは残ってしまいます。

仮に、告知義務を怠り売買契約を行うと、引き渡し後に契約不適合を理由に損害賠償を請求されるリスクがあります。現代では、事故物件の履歴を専門的に紹介するWEBサイトも存在することから、告知義務を怠ることはリスク大でしかありません。

成約時に仲介手数料がかかってしまう

不動産仲介では、成約時に仲介手数料が掛かります。

仲介手数料とは、成約時に仲介した不動産業者に支払うもので、400万円を超える成約価格の場合、「成約価格×3%+6万円+消費税」です。例えば、成約価格1,000万円の場合の仲介手数料は、「(1,000万円×3%+6万円)×1.1=396,000円」となります。

尚、不動産仲介は成功報酬制です。よって、成約に至らないと仲介手数料は掛からず、広告などに費やした経費は全て仲介業者負担となります。

販売が長期間になる可能性がある

事故物件は、一般的に敬遠されます。よって、買主探しに時間を費やすケースのが一般的です。販売が長期化することで、買主から買い叩かれることもありますし、所有者の精神的な負担が続き、気持ちが切れてしまうこともあ

よって、売却活動前には買い叩かれるなどの一定の覚悟と、気持ちの整理が必要です。

②買取り(直接売却)

買取りとは、不動産業者に直接売却することです。

不動産仲介との決定的な違いは、売却先が不動産業者、仲介手数料不要、告知義務がなく契約不適合責任の追及がないことです。買取りは、主に事故物件を専門的に扱う不動産業者が行っています。

買取り(直接売却)のメリット

先述にて買取りのメリットを紹介しましたが、他にはどんなメリットがあるのでしょうか?

具体的なメリットは以下の通りです。

  • 買取りは仲介よりも短期間で売却・処分が期待できる
  • 契約不適合の追求なしである点もメリット

買取りは仲介よりも短期間で売却・処分が期待できる

買取りは、不動産仲介よりも断然短期間で売却・処分できます。

不動産業者が買主となるので、買主が契約前に辞退するなど不確定な要素もなく、即契約と引き渡し・現金化が早くできるのがメリットです。

よって、買取りであれば、資金繰りの予定が立てやすくなるのです。

契約不適合の追求なしである点もメリット

次に、契約不適合を追及されないことです。

契約不適合とは、売主から引き渡された物件が、買主が思うような物件に適合していない場合に追及できる権利で、状況により「修補」「代金減額請求」「損害賠償請求」「契約の解除」ができます。シンプルに言うと、売主の責任が強くなり買主の保護姿勢が強まっている権利です。さらに「契約不適合は、売買契約時に免責の特約があることを除き、引き渡しから2年間追及できます。

事故物件は、心理的瑕疵が大きい物件であり、また中古不動産で契約不適合を負うことは、引き渡し完了後でも売主は安心できません。よって、契約不適合を追及されないことは大きなメリットであるのです。

買取り(直接売却)の弱点

買取りには先述のように、幾つかのメリットがある反面、当然のようにデメリットもあります。

下記に挙げたデメリットも、しっかりと理解しなければなりません。

買取り価格は、相場の30%〜40%の下落になる

買取り価格は、相場の30%〜40%の下落になる

不動産業者への買取りでは、通常相場価格の30%~40%程度の下落です。

一般的に、事故物件は相場の20%程度下落となりますが、買取りではさらに下落した金額に対し、70%~80%を掛けた金額となります。よって、買取り価格は相場の30%~40%程度の下落となってしまいます。

価格は、大幅に安くなってしまうデメリットと引き換えに、先述で挙げたメリットを受けることになります。

事故物件を売却する際の注意点・留意点3つ

事故物件売却際には、注意点・留意点があります。単に売却するということではなく、以下に挙げたことを事前に認識しておくことが重要です。具体的な注意点は以下の通りになります。

  • 事故物件には資産価値の下落があることを留意しておく
  • 「売却額<ローン残」とならないか確認することが大事
  • 境界確定ができているか確認する

 ①事故物件には資産価値の下落があることを留意しておく

事故物件には、殆どのケースで資産価値の下落があると考えておきます。事故物件になると、現実的には買い手が少なく需要自体も落ちてしまうので、価格自体の下落は避けられません。

 ②「売却額<ローン残」とならないか確認することが大事

次は、購入時にローンを組んだ場合です。売却額がローン額を下回らない、若しくは下回った分を手持ちの資金で完済できることを確認することが重要となります。

仮に、売却を進めるも最終的にローンが残ってしまうと、抵当権の抹消ができません。抵当権とは、金融機関が設定する担保物権で、債務者の返済が滞ったときに、強制的に売却し弁済を受ける権利となります。尚、抵当権を抹消しないまま買主に引き渡しことは、現実的に可能です。しかし、買主にとってメリットは全くなく、元の所有者のローン返済滞りで、今の所有者(買主)の家が強制的に売却されてしまうのは道義的に難しいことです。

よって、売却するときにはローン完済が条件になります。

因みに、ローン完済ができない状態で売却を進める方法を任意売却といいます。任意売却を行うには、金融機関への交渉と協力を仰ぐことや、売却価格についても金融機関に同意を得ることが必要です。更に、売却完了後も支払い期間の猶予など、金融機関との調整が多くあります。

境界確定ができているか確認する

続いて、境界確定ができていることです。最近分譲された土地であれば境界確定は問題ないのですが、昭和30年~40年代など古い時代に購入した土地であると、敷地境界が曖昧であることがあります。土地売買は、平米単価での取引となるので正確な面積が必要です。特に、地価が高い都心部などの取引時は、敷地境界の確定は重要になります。

尚、境界確定は、土地家屋調査士主体で進めていきます。敷地の仮測量、近隣所有者との敷地境界の確認、確定測量、土地の登記です。土地の形状や未確定の境界の数などにより、期間は1か月、費用は高くて100万円程度掛かることもあります。

よって、境界確定に時間と費用が掛かることも留意しておかなければなりません。

事故物件の下落幅を抑えるのに有効な3つの方法

先述までに、事故物件には資産性の下落があるとお伝えしました。しかし、売却時の下落幅を少しでも抑えたいと考える人も多いでしょう。ここでは、事故物件の下落幅をなるべく抑える有効的な3つの方法と、注意点等について解説します。

  • リフォーム・リノベーションを行う
  • 解体して更地にする
  • 風評被害が落ち着いた時期に売却する

①リフォーム・リノベーションを行う

下落幅を抑えるリフォーム・リノベーションは、特殊清掃後に行います。

特殊清掃とは、遺体があった痕跡を無くす作業です。床などに染み付いた血液や体液の除去、壁紙に飛んだシミの除去、部屋内に沸いた害虫の駆除、死臭の除去が主な作業となります。しかし、特殊清掃を行うも原状回復が難しいケースもあります。例えば、遺体発見が遅く血液が床下までに染み込んでいると、痕跡の除去は困難です。このような場合に、床材を丸ごと交換するリフォームを行います。

 リフォーム時の注意点

特殊清掃後のリフォームには、幾つか注意点があります。具体的には以下が注意点となるでしょう。

  • 多額の費用が掛かる
  • フルリフォームが必要

多額の費用が掛かる

はじめに、リフォームを行うと多額の費用が掛かります。

例えば、遺体発見場所が浴室内であった場合、浴槽自体の交換が必要です。浴槽交換は、浴槽自体を外す作業から、外した浴槽を運び出し処分する手間、また新しい浴槽を運び込み設置する手間など、結構な時間と人手が必要です。よって、リフォーム費用は100万円程度掛かることもあります。また、寝室などの場合、壁紙・床材などの交換でも、数十万円以上の費用が掛かります。

尚、リフォーム業者の中には、事故物件での工事を敬遠するところもあり、リフォーム工事契約前に事故があった告知が必要です。このように、事故物件のリフォームを敬遠されることもあるため、一般的なリフォームより割高になることや悪質業者に注意が必要となります。

フルリフォームが必要

事故物件のリフォームは、フルリフォームが基本です。

事故があった個所のみリフォームすると、事故があった場所が常にわかる状態です。痕跡自体は無くなっているのですが、心理的な負担が常に残ります。仮に、所有している物件を賃貸している場合、事故物件の告知期間は3年です。部分的なリフォームでは、3年を経過しても事故があった場所が賃借人にわかってしまい、告知期間完了後も心理的瑕疵が残ってしまいます。

よって、フルリフォームがよいのです。

②解体して更地にする

次に、事故があった物件を解体し更地にすることです。

売買の場合、解体して更地にしたとしても事故物件の告知義務は残ります。事故があった建物はないのですが、事故があった土地としての評価となるのが一般的です。

しかし、解体して更地にすることで、心理的な負担は幾分和らぎ、下落幅は抑えられることがあります。事故物件が、目に見えない形になることで資産性下落に歯止めを掛ける、一定の効果が期待できます。

尚、解体業者は不動産業者からの紹介でしか手配できないようなイメージがあります。しかし、解体業者にも一般ユーザーが普通に閲覧できるホームページがあり、解体工事の問い合わせや解体の手順、大まかな費用の目安まで掲載されているので、誰でも簡単に手配できます。

解体して更地にする際の注意点

事故物件を解体するときにも、幾つか注意点があります。以下に、4点挙げて詳しく解説していきます。

  • 解体業者は複数見積もりを取る
  • 「解体費>売却金額」とならないように注意する
  • 再建築不可物件でないか確認する
  • 固定資産税等の負担が重くなる

解体業者は複数見積もりを取る

はじめに、解体業者は複数社見積もりを取って決めていきます。人生において不動産の解体を個人で行う機会は少なく、相場観などはわかりづらい部分です。そこで、複数社見積もりを取ることで、今回依頼する物件の規模感でどの程度の費用になるのかが、おおよそ見当がついてきます。また、極端に安すぎる業者や高すぎる業者を見極めることができ、悪質な業者に引っかからない予防策にもなります。

尚、建物の解体費用は概ね、建物の構造、解体のしやすさ、解体物の搬出のしやすさで決まっていきます。例えば、木造一戸建て、間口が広く、接面道路の幅が広い立地であれば、解体する重機を搬入しやすく、木造であるので解体自体も手間が掛からない、更に搬出用のトラックを横付けできるので解体作業がスムーズに進みます。このようなとき、解体費用は安価になる傾向があるのです。反対に、間口が狭い旗竿地でRC造りの一戸建ての場合、解体用の重機を入れづらく、搬出用のトラックも横付けできないので、解体作業の効率が悪く時間が掛かることから、費用は高めになる傾向があります。

「解体費>売却金額」とならないように注意する

続いて、解体費が売却金額を上回らないように注意します。事故物件の売却額は、周辺相場より下落することが前提です。また、仮に不動産仲介で売却すると仲介手数料も掛かり、手元に残る金額も余計に少なくなります。

売却金額と売却に掛かる必要経費と解体費について、事前にどの程度の金額になるのか目星をつけておく必要があります。

再建築不可物件でないか確認する

続いて、再建築不可物件ではないことです。再建築不可物件とは、幅員4m道路に2mの接道義務を果たしていない物件で、既存建物を取り壊すと新たな建物を建築できないという物件となります。

尚、再建築不可物件を再建築可にするためには、対策が必要です。例えば、幅員不足であれば道路中心線から2mのセットバック、間口の接道不足であれば周辺の土地買収が必要となります。

事故物件で資産性が下落している中で、再建築不可であること、将来的に建て直すには土地面積の減少による建物規模の縮小、周辺の土地買収というリスクがあると、買い手にとってメリットではありません。

よって、再建築不可物件でないかも確認しておきます。

固定資産税等の負担が重くなる

最後に、更地にすることで固定資産税等の負担が重くなります。固定資産税等は、住宅用の建物があると小規模宅地の特例が適用され、200㎡までの土地については1/6に軽減される制度です。よって、建物がなくなることで固定資産税の負担が重くなります。

解体して即売却できればよいのですが、売却期間が長引くとその間の固定資産税等を負担し続けることになり、要注意です。

③風評被害が落ち着いた時期に売却する

続いて、事故物件の売却を直ぐには行わず、少々期間を空け風評被害が落ち着いた時期に行うことです。孤独死などが近隣で起きた場合、その事実は人々に強烈な印象を与えてしまいます。

しかし、多くの情報が錯綜する現代社会において、時間が経過するにつれて忘れ去られてしまうこともあるのです。徐々に人々の記憶から遠のき、いつしか記憶の片隅にも残らなくなります。

よって、風評被害などが落ち着くまでは何もせずに耐え抜き、落ち着いたときに売却するという方法もあります。

風評被害が落ち着いた時期に売却の注意点

風評被害が落ち着いてから売却するにあたり、注意点となる事項を2つ挙げてみました。具体的には以下の通りです。

  • 必ず高値で売却できるわけではない
  • 建物の劣化、地価変動により売却価格に影響が出ることがある

必ず高値で売却できるわけではない

風評被害が落ち着いたとはいえ、現実的には事故物件であり資産性の下落は避けられません。ただ、風評被害がある中では売却すら厳しいような状態ですが、落ち着いた時期に売却活動を行えば、従来の下落幅程度に治まる可能性も出てきます。

よって、期間を空けることにより必ず高値で売却できるということではなく、元の事故物件の相場に戻せる可能性が高まると、考えたほうがよいでしょう。

建物の劣化、地価変動により売却価格に影響が出ることがある

風評被害が治まるには、年単位の時間が必要です。よって、その間に地価の変動や建物自体の劣化により、売却価格が大きく変動することがあります。

地価が上がれば下落幅の縮小が期待でき、反対に地価が下がれば下落幅の拡大があります。不動産自体の価格は、毎年変動しており、想定以上の金額、若しくは想定以下の金額で売却という可能性があることが注意点です。

【事故物件売却を行う際の相談先】実績とノウハウがある不動産業者がおすすめ

事故物件の売却には、実績とノウハウがある不動産業者がおすすめです。

事故物件は、一般的に中古として売り出されている物件と、相場感や契約前に行う告知義務など異なる部分が多く、扱いが苦手な不動産業者もあります。よって、事故物件の取り扱い実績や担当者の経験と知識の豊富さが、成約への大きなポイントとなるのです。

不動産業者を決める際には、複数社への査定依頼と実際に査定の根拠と販売から成約・引き渡しまでの提案内容の比較、営業担当者の人柄や経験値などを鑑み、判断するのがベストでしょう。

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